金沢にとって“してやったり”のゲーム。4連勝達成
「自信を持ってこのまま続けていこうと思う」
会見での試合総括をそんなコメントで締めくくった金沢の柳下監督。勝っても厳しい言葉でいくつもの課題を挙げるのが常の指揮官にしては珍しく、勝利の喜びを素直に表現した。それだけ“してやったり”のゲームだったのだろう。
リーグ3連勝中という金沢の好調の要因は攻撃陣の覚醒にあった。特に佐藤、中美、宮崎のトリオがうまく絡んで3試合連続で3得点を挙げて勝利につなげていた。ただ、この日は攻撃よりも守備が光った。
20分に左サイドで得たFKの場面で杉浦が蹴った低い弾道のボールが直接ネットを揺らして先制した金沢だが、それ以前もその後もかなり福岡にチャンスを作られ、90分で20本のシュートを打たれた。
それでも第7節・岡山戦以来15試合ぶりの無失点という勲章を手にできたのはなぜか。まずは、GK白井の好セーブの連続、そして、「前回よりも良くなった」と柳下監督が評価した守備陣の良いポジショニングによって、最も警戒していたウェリントンの高さに“勝てないけれども負けない対応”を粘り強く継続したことが挙げられる。
さらに、この日の福岡に枠外に飛ぶシュートが目立ったのは、先制を許した焦りが要因の一つだったはずだが、その焦りを加速させたのが金沢の試合運び、特に先制後のボールの動かし方でもあった。杉浦のゴールで先制したあとは中盤と最終ラインでゆっくりとパスを回し、福岡がボールに圧力を掛けてきた瞬間に前線の佐藤らに速い縦パスを入れて福岡にプレスバックを強いる。これを繰り返すことで福岡の選手から徐々に体力と集中力を奪っていった。
84分に相手のミスを逃さずカウンターから杉浦がトドメの一発を決めて4連勝を果たすと同時に、前回対戦での“0-5”の屈辱を晴らした金沢。この日手にした自信は連勝継続のエネルギーになり得そうだ。(島田 徹)