絶対に負けられない。とりわけ21位でJ3降格圏に取り残されそうな危機的状況にある讃岐側はその思いが強かったはず。それは、試合の立ち上がりからプレーに表れていた。
高い位置からプレスを掛けて山口を追い込み、ボールを奪取すると、速攻と遅攻をうまく使い分けながらゲームを巧みに支配。12分には、自陣からロングカウンターをしかける。一気呵成に人数をかけて攻め上がると、最後はCBの武田が頭で押し込んで、幸先よく先制に成功。山口は「讃岐の勝たないといけないという圧力に対して後手に回ってしまった」(渡辺)と劣勢に立たされ、その後も讃岐が複数の好機を演出するなど、優位に試合を進めていた。
しかし、理想的な展開に持ち込みながら、結果を導き出せないチームはまたしても悪癖を露呈。今季、何度となく繰り返してきたセットプレーからの失点で讃岐は瓦解していく。21分、ミドルレンジのFKを前に叩き込まれて同点にされると、前半終了間際にはCKから渡辺に頭で押し込まれてあっさりと逆転を許す。
「相手からしたら、こんなラクなゲームはない」とGK清水。主導権を握りながら簡単に試合をひっくり返された悪い流れは、後半も変えられず。53分にはCKをクリアし切れずにいると、こぼれ球をゴール前で宮城に詰められて追加点を献上。必勝を胸に強い気持ちで臨んだ讃岐選手たちの心はここで完全にへし折られた。(松本 隆志)