厳しい蒸し暑さとも戦うように引きこもってゴール前を固める水戸を、大分が何とかこじ開けようと苦心した一戦。ついに水戸の牙城は崩せず、スコアレスドローで勝ち点1を分け合う結果となった。
前田をコンディション不良で欠き、林もベンチスタートと2トップを入れ替えて臨んだ水戸。立ち上がりこそ激しくハイプレスを掛けたが、それをしのいだ大分が間を突いてリズムをつかみはじめると、スペースを消してブロックを構える。ボールを保持することになった大分は、縦パスやサイドチェンジ、クロスとさまざまな手を尽くしてゴールに迫るが、水際で体を張る水戸の牙城をなかなか崩すことができない。
水戸は後半の頭に中盤のモビリティーを増すことで攻勢を強め、立て続けにシュートを放つが、こちらもGK上福元の好セーブなどに阻まれる。59分に大分が新戦力MFシキーニョを投入すると、水戸は3バックに変更し、さらに守備を強固にした。
なかなか動かないスコアに観客が退屈し始めたころ、この試合最大の見せ場を演出したのがシキーニョだった。個人技で果敢にしかけ、絶妙な駆け引きでニ人を抜き去って左足シュート。GKにはじかれたこぼれ球に自ら詰め、今度は右足で狙ってCKを獲得すると、サポーターをあおった。こう着状態のゲームに一石を投じるプレーに、スタジアムは大歓声。得点こそできなかったが、垣間見えたポテンシャルは今後の期待を誘った。(ひぐらし ひなつ)