課題は山積も、ラストワンプレーでつかんだ大歓喜
まさにラストプレーだった。90分に同点に追いつかれ、突入した後半ロスタイム。90+5分、水戸が左サイドでCKを獲得すると、この日はじめてCKのキッカーを務めた浜崎が蹴ったボールは鋭いカーブを描きながらゴール前へ。そして、ゾーンディフェンスの隙間にうまく入り込んだ途中出場の齊藤隆が頭で合わせてゴールネットに突き刺した。その直後に試合終了の笛が鳴り響き、劇的な形で水戸が5試合ぶりの勝利を手に入れた。
リーグ前半戦は好調な戦いを見せていたものの、夏場に入って勝ち星に恵まれない状況が続いていた両者。再浮上のきっかけとなる勝利をめぐって、激しい火花を散らした戦いだっただけに、水戸にとって非常に大きな勝ち点3と言えるだろう。スタジアムは今季最大の歓喜に包まれた。
しかし、試合後の水戸の選手たちは勝利を喜びつつも、「自分たちで難しい試合にしてしまった」(佐藤祥)と険しい表情を見せた。1対1で迎えた後半、水戸は主導権を握り、78分に逆転に成功、その後も東京Vを攻め立てて決定機の山を築いたものの、追加点を決めることができなかった。「あと2、3点取れるチャンスがあった」と前田は悔やんだ。
また、リードして迎えた終盤、軽率なパスミスでボールを相手に渡してしまい、そこからの攻撃で今季6本目となるPKを献上してしまった。「リードしたあとのゲームコントロールに幼さが出てしまった」と西ケ谷監督。終了間際に同点に追いつかれた第22節・熊本戦と同じ課題を露呈してしまったのだ。劇的な形で勝利を手にすることはできたものの、一方で水戸にとって反省材料の多い試合でもあったと言わざるを得なかった。(佐藤 拓也)