鹿島、2度の中断を経ても集中力は途切れず
鹿島のクラブ関係者が「25年、ここ(県立カシマサッカースタジアム)で試合を見続けてきたけれど初めて」と言うほどの濃い霧がスタジアムを包み込んだ。25分からオレンジ色のカラーボールが導入され、29分には一時中断と異例の事態に見舞われる。
すると、前半ロスタイムに試合が動く。鹿島が中盤のパス交換でリズムを作ると中村がいきなり縦パス。DFをはがしていた土居がビッグチャンスを冷静にゴールへ流し込み、少ないチャンスをゴールに結びつけた。
これには仙台の渡邉監督も「スキを見せてしまった。そこを突くのが鹿島さん」と悔しがる。霧に戸惑いパスミスを連発していたのはボールを握った鹿島。仙台はカウンターからチャンスを作っていただけに、試合の流れを決定づける1点だった。
前半は鹿島が2本、仙台が1本とシュートを打てずにいたが、後半は鹿島が中村や遠藤を中心に次々とチャンスを作っていく。61分、さらに濃くなった霧で試合が再中断となっても選手の集中力は切れない。「ちょっと緩くなっているからもう一度スイッチを入れよう」と声を掛け合い、再開後も攻撃の勢いは変わらなかった。
仙台もGKシュミットが好セーブを連発。なんとか追加点を許さずに試合を進めていったが、またもロスタイムにゴールが生まれる。金崎のパスに抜け出した途中出場の鈴木がダメ押しの2点目を決め、霧でほとんど試合が見えなかったはずの鹿島サポーターを沸かせた。
攻撃の選手が「外から見ている以上に中は見えていた」(鈴木)と話す中、DFの昌子は「相手GKが蹴ったときは見えなかった。霧が濃くなったときは怖かった」と振り返る。難しい環境でも集中を切らさなかった選手を、大岩監督は「褒めてあげたいなと思う」と讃えていた。(田中 滋)