結果的には、エースの存在が勝敗を分けることになった。鳥栖は開始早々の6分、FKに変化を加えた形で清水の意表を突き、福田が先制点を挙げる。さらに20分にはビクトル・イバルボを起点に高い位置で連続してパス交換。前線に飛び出していた原川がイバルボのパスを受けてミドルシュートを突き刺し、追加点を奪った。清水はサイドを起点にクロスから好機を数多く生み出すが、シュートが枠をとらえられない。この流れは試合最後まで続いてしまい、後半に長谷川が1点を返すにとどまってしまった。
この試合、際立っていたのはイバルボの存在だ。1トップの位置に入りながら自由に動き、キープ力を生かして起点となり、効果的なラストパスを数多く繰り出した。後半、鳥栖が3バックに変更し、後ろに重くなっても、イバルボが前線でキープすることで押し上げる時間を作る。「存在がめちゃくちゃ大きい」と藤田も言うように、個としての存在感はまさに圧巻であり、鳥栖にとっては大きな収穫となった。
逆に清水は再三の決定機がありながらそれをモノにする決定力を欠いた。前日練習で左足を痛めたチョン・テセの不在が響き、その状況では2点ビハインドを巻き返すだけの力も足りなかった。(杉山 文宣)