今季ここまでで見せていた、もろく、ナイーブな讃岐の姿はこの試合にはなかった。披露したのは揺るぎない自信を持って戦う堂々とした姿。それは必然的な結果としてチームに今季3勝目をもたらした。
これまでの讃岐は結果こそ出ていなかったものの、その内容自体は決して悪いものばかりではなく、試合の主導権を握り、リードを奪う試合も決して少なくなかった。それでもここまでたった2勝にとどまっていたのは90分間をとおしてのマネジメント力が大きく欠如していたからにほかならない。
せっかく良いリズムで試合を進めても、勝負どころを前に息切れを起こし、勝利は水の泡と消えていった。
「ボールを奪っても簡単にミスをしてしまったり、カウンターなのかポゼッションなのかの判断が悪過ぎて自滅していた。そこを改善すればスタミナも関係ない。ずっと守備ばかりを頑張っていてもダメ」
北野監督が気にかけていたのはスタミナ不足ではなく、根本的な戦い方の見直し。この試合においての大きなキーワードはポゼッションにあった。
もともと讃岐はポゼッション型のチームではないが、この試合でのボール支配率は62%と明らかに水戸を上回っていた。やみくもにカウンターに頼るのではなく、ボールをしっかりと保持した上でここぞというときのために力を蓄えておく。いつもなら相手の圧力からロングボールに逃げていた場面もこの試合では落ち着いてパスコースを探し、丁寧にビルドアップしてポゼッションにつなげた。そうすることで相手を動かして疲弊させ、自分たちは体力を温存。好機でフルパワーを注いで二つのゴールを陥れ、90分間でのマネジメント力を理想的な形で体現したのだった。(松本 隆志)