前半は神戸、後半はFC東京の圧倒的な展開。好機をモノにしたのはFC東京
3バックに変更し、中盤をマンツーマンで配置して前半、イニシアチブを取り続けた神戸。その対抗策として、後半、ビルドアップのターゲットを変え、圧倒的に支配したFC東京。後者が終盤、スコアでも上回り、4月末の第9節・広島戦(1○0)以来となるホーム白星を飾り、2連勝を達成した。
「相手が対応し切れなかったのは(ウチの)予想外の配置やゲームの運び方」(ネルシーニョ監督)。神戸はFC東京の逆三角形の中盤3枚に対し、トップ下の渡邉を頂点に中盤3枚を正三角形で置き、圧力を掛け続けてビルドアップを遮断。攻撃に転じると、自由を与えた前線のルーカス・ポドルスキが渡邉とともに前線で起点となることで、つぶしの的を絞らせず、フィニッシュまで持ち込むシーンを作り続ける。ただ、J1デビューとなったGK大久保択の好セーブに遭うなどネットは揺らせず、スコアレスで折り返す。
一方的な展開を受け、ハーフタイムに篠田監督が完璧な打開策を授ける。「FWのために(パス)コースを空けてあげた。(中盤3枚には)マークがついてくるので、(最終ラインの徳永)悠平あるいは(チャン・)ヒョンスからFWに当て、そこでボールを収めてサポートすれば、一気に前を向ける」。中盤を経由せず、最終ラインから直接、前線に配球することで、前半の苦しみが嘘のように神戸の包囲網を軽々と突破する。今度はホームチームのワンサイドゲームとなり、とうとう88分に試合が動く。大久保嘉を起点に最後はピーター・ウタカが沈め、これが決勝点となった。
ネルシーニョ監督が決断した後半初めからのハーフナー投入は前線のプレスが弱まり、結果的にはFC東京の勢いが加速。両指揮官のハーフタイムの判断が明暗を分けたとも言える結果となった。(大林 洋平)