大きかった先制点。リードすればいまの横浜FMは守り切れる
先制したのは11試合負けなしの横浜FMだった。キックオフから間もない9分、自陣左サイドで齋藤がオーバーラップした山中に浮き球のパスを送る。ボールを受けた金髪の左SBは広大なスペースを持ち上がり、得意の左足を振り抜く。低い弾道のシュートは鳥栖のGK権田にセーブされたが、そのこぼれ球に詰めたのはウーゴ・ヴィエイラ。2試合連続の先発となったポルトガル人ストライカーの今季7ゴール目が決まり、横浜FMが幸先の良いスタートを切る。
失点した鳥栖だが、すぐさま反撃を開始。15分、田川が三丸とのパス交換から左サイドを攻略しゴール前へ。田川はファーサイドを狙うシュートを放ったが、これをGK飯倉がファインセーブ。絶体絶命のピンチをしのぎ、鳥栖に傾きかけた流れをせき止める。
後半に入ると鳥栖ボールの時間帯が増えていったが、リーグ最少失点のトリコロールに焦りはない。ボランチの扇原が「全員が守備意識を持ってプレーできている」と手ごたえを話せば、中澤は「守備意識の高いボランチがいるのは大きいし、穴は開かない」とチームメートを称える。リードすれば守れるという自信を武器に、鳥栖にボールを持たせていた。
横浜FMには何度か追加点のチャンスもあった。66分にヴィエイラが角度のない位置から狙ったシーン、そして82分にはマルティノスの折り返しから齋藤が決定機を迎えたシーン。しかし、いずれもシュートは枠を捉えられず、ゴールにはならなかった。
この試合では2点目を決め切れなかった。したがって盤石の勝利という表現はできない。それでも、決め切れずとも勝ち切れるのは地力の高さの証と言える。
ファインセーブで追加点を与えなかったGK権田が「マリノスは守備が堅いので0-0ないしはリードしている時間帯を長くすることが大事だった」と悔しさを露わにしたように、守備力の高いチーム同士の対戦は先制点の時間帯が大きなポイントとなった。(藤井 雅彦)