一進一退の攻防が繰り広げられ、ともにスキを見せることなく90分間を戦い終えた。昨季のJ1昇格プレーオフで対峙した両者の一戦は、緊迫感の張り詰めた好試合だったが、互いに勝つための手段には乏しかった。特に岡山は「一番ロングスローが怖かった」(反町監督)という非力な攻撃で、1万人を超える観客の後押しを受けながらシュート6本。「もう少し瞬間的にリスクを負って踏み込んでいけた」と長澤監督が語ったように、攻撃のボリュームを上げていく課題は残った。
もっとも、赤嶺が負傷離脱中で豊川が出場停止だった中、1トップで先発したオルシーニは収穫だった。体格を生かして屈強な松本のディフェンス陣とファイトし、今節は前線でプレーした片山とともにアグレッシブに戦った。立ち上がりは松本の左サイドを起点にした攻撃にイニシアチブを握られ、ギャップを突いてくるセルジーニョの動きに苦しんだが、18分にオルシーニがロングフィードを収めて片山が強烈なミドルシュートを打ち込むと、岡山も徐々に全体のゾーンを押し上げられるようになっていき、57分には伊藤のスルーパスを受けて抜け出したオルシーニが自らシュートに持ち込む決定機も創出した。
アルゼンチン人ストライカーは今後のキーマンになるだろう。それは合流直後ながらピッチに送られた松本の鈴木武も同様だ。両チームはリーグ終盤戦に向けて、チームにパワーを加えてくれる選手を欲している。(寺田 弘幸)