敵地に乗り込んだ松本は、町田の生命線の一つである前線からのプレッシングを回避するために、ロングボールを多用。ターゲットとなる最前線の高崎にボールを当てて起点を作り、山本と工藤で形成する2シャドーが高崎と近い距離を保ちながら攻撃を構築してきた。
「(2トップが)プレッシャーを掛ける前に松本はターゲットの高崎や裏へロングボールを蹴ってきた。前で起点を作られた上にセカンドボールも拾われたし、ウチが松本に対してやりたいことをやられてしまった」
町田の中島がそう振り返るように、松本があえて“相手の土俵”で戦うことを選択。町田のお株を奪う試合展開に持ち込んだことで、ホームチームとしては「特に前半はいいようにやられてしまった」(井上)。
こうして主導権を掌握した松本は、前半終了間際の42分にCK崩れの展開から最後は山本が先制点を奪うと、後半開始早々の51分にもパウリーニョのCKから高崎が追加点を奪取。町田も十分に警戒していた松本の“伝家の宝刀”であるセットプレーで効果的な時間帯に加点した。終了間際には町田に意地の1点を許したものの、敵地で勝ち切った松本の反町監督は会見でこう言った。
「前半に関しては町田さんの特長をほとんど出させなかった。最後に失点をしたので大きな声では言えないが、ピンチらしいピンチはなかったと思う」
中島のゴールで土壇場に一矢報いたものの、町田としては完敗を認めざるを得ない試合だった。(郡司 聡)