水戸は序盤から前田、齋藤恵の2トップが持つスピードを生かそうとロングボールをスペースに向けて送り込む。それを十分に予測していた福岡は危なげなく対応するが、水戸の前線からの早いプレッシングを警戒し、また実際に強い圧力を受けることで、自分たちのものとしたボールをセーフティーに相手の背後へと蹴り込むことを選択。20分まではそんな状態が続き、ボールが互いの陣地を行ったり来たりする落ち着かない試合展開となった。
25分過ぎから福岡が徐々に攻撃回数を増やす。その軸となったのはウェリントンを出場停止で欠く状況に備えて準備を進めてきた、連係プレーを軸にした地上戦だった。しかし、水戸は内田の丁寧なプレスバックと抜群のポジショニングによるパス分断やGK笠原の好セーブでこれに対抗。スコアレスのまま時計の針は進んだ。
後半序盤、水戸が船谷の負傷により途中からピッチに入っていた湯澤と前田の連係で好機を作ると、主導権を渡したくない福岡の井原監督は62分に石津、65分に城後と連続して攻撃的なカードを切る。この交代策は確かに効果を発揮したが、65分の石津の左足シュートはバーをたたき、城後の積極的な背後への飛び出しは好機にはつながるものの得点には至らず。
結果、互いに勝ち点1を分けることになったが、チームが置かれる状況と順位を考えれば、同じ『1』でもその価値は水戸が手にしたもののほうが大きいと言える。(島田 徹)