東京Vにとっては09年の第6節以来、1分7敗と勝利のないニンスタでの試合はまさに鬼門中の鬼門。しかし、そんな悪しきジンクスはどこへやら。ゲームはほぼワンサイドの東京Vペース。「試合を一言で表すなら集中」(ロティーナ監督)と1試合を通じて攻守両面での高い集中力を見せた東京Vが勝負をモノにした。
3連勝中の東京Vはその対戦相手がすべて[3-4-2-1]を基本としていた。ゆえに同システムをベースとする愛媛はこの試合に向けて[4-4-2]で練習を積み、試合で実践した。しかし、それでも「やることは変わらないし、相手のシステムに惑わされなかった」(安西)と東京Vはそれに動じず。連動した守備で追い込み、ボールを握ると自慢のパスワークで相手を翻ろう。試合序盤から愛媛を自陣に押し込んで主導権を握り続けた。愛媛も懸命に守備ブロックを組んで対応したが、ここでもものを言ったのは局面での集中力。決して決定機の数で圧倒したわけではなかったが、それらの機会を確実に決め切る質を披露。24分にスローインの流れからアラン・ピニェイロが先制点を決めると、後半に攻勢をかけてきた愛媛を尻目に再びピニェイロがワンチャンスを生かす。終盤にはカウンターからカルロス・マルティネスが頭で押し込み、勝敗は決した。
一方の愛媛は急造の4バックで随所で良さを見せるも細部での意識の統一が図れず。結果としてその策は裏目に出たと言わざるを得ないものとなった。(松本 隆志)