試合後の記者会見で、長崎の高木監督は勝敗の分かれ目について、こう振り返った。
「竹内選手とファンマの、高さやパワーの本当に若干の差が最後に出て、われわれに良いほうに転がった。試合内容自体は、大分さんのほうがボールを保持した時間が長かったと思うが、選手がよく耐えた」
試合序盤に大分の“奇襲”に主導権を奪われたのも、綿密なスカウティングに基づいて戦いに臨んだからこそだ。早々にリードを許したものの、そこからの修正が早かった。高木采配で今季2回あった、前半終了間際の選手交代。この試合でも44分、養父から前田悠佑へと舵を切った。多くの指揮官がハーフタイムにじっくりと指示を出して後半頭から切り替える選択をするところだが、高木監督は「今までやってきた中での勘で、後半に向けての風を入れたかった」と、このタイミングでの交代を敢行する。
ファンマの5戦ぶり先発起用にも大分は意表を突かれた。第14節以来、ゴールから遠ざかっていた間に、新戦力の平松がフィットし結果を出していた矢先のことだ。大分守備陣との相性を踏まえてか、最後のゴールが大分との前回対戦だったことによるファンマ自身の精神面を考慮してかは分からないが、その起用が見事に当たった。重戦車の復調が、シーズン終盤のJ1昇格争いのカギになり得ることを考えれば、スキのないチームマネジメントだと言える。
コイントスでエンドを入れ替えることも多い高木監督。この一戦でも、細部にまで勝利への執着心を見せた。(ひぐらし ひなつ)