長崎、後半劣勢も最後は乾大知が魂のヘッド
長崎にとっては抜群の前半だった。高い位置から千葉の最終ラインにプレッシャーを掛け、試合の主導権をつかむと6分にはこの日最初のCKから澤田がヒールで押し込み、早々に先制する。「受けに回り過ぎた」と矢田が言うように、千葉の前半のシュート数はゼロ。高い位置からのプレス、セットプレーからの得点と持ち味を存分に発揮した長崎が、完全にゲームを掌握した前半だった。
しかし、後半に入るとゲームは一変する。長崎はリードしていたこともあり、「(前からプレスに)行くか、行かないかハッキリしなかった」(幸野)。これにより、千葉の猛攻にさらされてしまう。全体が引いてしまった長崎はボールを奪っても前線のファンマが孤立。後ろからつなごうとすれば前に圧力を掛ける千葉の切り替えからのプレスの餌食になる。クリア一辺倒で防戦を強いられた。さらにその流れのまま、57分にCKから失点を喫し、同点に追いつかれてしまう。千葉は追いついた勢いそのままにさらに圧力を掛けるが、「集中を切らしたら終わり」(翁長)と長崎も集中を切らさない。この時間帯を乗り切ったことで試合の戦況はまた変化した。
千葉がさらに前がかりになったことで試合はカウンターの応酬のようなオープンな展開に。残り10分を切ると、長崎にも再びチャンスが生まれ始める。そして、劇的なドラマはラストプレーに待っていた。翁長のロングスローからファンマ、田上とつなぐと最後は乾大知が飛び込み、ゴールネットを揺らす。苦しい時間帯に集中を切らさなかった長崎と最後に足が止まった千葉。ともに45分ずつ主導権を握った試合だったが、集中力の差が勝敗を分けた。(杉山 文宣)