2位再浮上の勝利に影響したという意味でも、福岡・井原監督の采配が印象に残るゲームとなった。
福岡は今節、2試合の出場停止が明けたウェリントンの先発が当然のごとく予想されたが、井原監督は松田と仲川を2トップに据えた。理由は山口の守備陣にはスピード勝負が有効だと考えたからだ。
さらに布陣も定番となっていた[4-4-2]ではなく第24節・徳島戦以来の3バックを採用、中盤はウォン・ドゥジェをアンカーに、三門と山瀬をトップ下に並べる[3-5-2]とした。山口の小塚を抑えることが守備のカギと考えて若い韓国人選手をマンツーマン気味に当て、前からのプレスで小塚へのパスルートに制限をかけるために狩猟犬のごとく二度追い、三度追いができる三門と、そのサポート役の山瀬を前に並べた。
そんな井原監督の狙いはズバリと的中する。15分の山瀬による先制PKは、山瀬のループパスで最終ラインの背後に抜け出た仲川が倒されて得たもので、追加点は亀川の左からの高速クロスに松田がヘッドで合わせたもの。また、終了間際に前が意地の1点を返したものの山口が前節の松本戦の劇的逆転勝利で手にした勢いを出せないで終わったのは、中盤の逆三角形で攻撃の起点となる小塚を封じ込めたからだった。(島田 徹)