両軍合わせて8ゴールと、スペクタルな展開となったこのゲームで、ひときわ異彩を放ったのは名古屋の誇る魔法の使い手“GX44”ことガブリエル・シャビエル。意外にもプロ初のハットトリックを達成、3ゴール1アシストで逆転勝ちに大きく貢献した。
それでもゲーム序盤は「相手の右SBが攻撃的に上がってきていたので、そこをケアしなければいけなかった」(シャビエル)と守備の負担が大きく、手こずる場面もあった。本領を発揮し始めたのは30分ごろから。FWの佐藤とポジションを入れ替え、最前線に移ってからだった。「守備に追われることなく攻撃に専念でき、相手を欺くことができた。より攻撃に自由が与えられたのが良かった」とシャビエル。J1、J2合わせて最多得点を誇るストライカーを押しのけてでも、“GX44”が生きる環境を作ることが、いまの名古屋にとっては勝利への最善の策となった象徴的な場面だ。
風間監督はそのポジションチェンジについて「ポジションに少しズレが出て、攻撃の距離感が良くなかった。(佐藤)寿人が外に出てうまく埋めてくれた」と、佐藤の献身ぶりがあってこそのシャビエルの活躍だと語る。シャビエルも「最初のゴールはタマ(玉田)から良いボールが出てきてGKと1対1になれた。2点目も寿人から良いパスをもらった」と強調。いつものようにチームメート全員の力で奪えた得点だと語った。
「得点よりもチームの勝利がうれしい」とシャビエル。残りは7試合。名古屋のJ1復帰は“GX44”の魔法の左足に懸かっている。(斎藤 孝一)