攻守に粘り強く。今季の湘南を象徴する“10度目”のウノゼロ
攻撃に要した時間で勝敗が決まるのならばアウェイチームの愛媛に軍配が上がっていたかもしれない。だが、勝ち点3を積み上げたのは、集中した守備と粘り強い攻撃を披露した湘南だった。
序盤から試合は拮抗した展開で推移する。湘南は前線に復帰したジネイを起点に、菊地と山田の2シャドーが絡んで攻撃を構築。一方の愛媛は、藤田息吹と小島のダブルボランチが攻守に顔を出し、古巣対決となる白井が積極的な仕掛けを見せることで相手陣内に攻め込んでいった。
試合は23分に動く。左CKを得た湘南は藤田征也が中央へ鋭いボールを供給。これを秋野が「狙っていた形とは違ったけど、うまく合わせられて良かった」とヘディングでゴール右に沈め、ホームチームが先手を奪うことに成功した。チームにとって大きな先制点。一気に流れは湘南に傾くかと思われた。
しかし、そこから攻勢に出たのはビハインドを負った愛媛だった。球際の争いに負けず、セカンドボールの奪い合いでも相手に屈しなかったアウェイチームは、人数をかけた攻撃で敵陣に侵入していく。結果的に湘南のCK数が3本だったのに対し、愛媛は11本を記録していることからも、より押し込む時間が長かったことが分かるはずだ。
それでも試合終了直後に歓声が上がったのはホームサポーター。「失点せずに最後まで行けたこと、結果が出たことはすごくポジティブに捉えていいと思う」とは菊地の言葉。苦しい試合展開の中でも体を張って無失点を継続したことが、最後に勝ち点3を手繰り寄せた。これで今季10度目のウノゼロでの勝利。J1昇格に再び王手をかけた湘南は、次節の岡山戦に勝てば1年でのJ1復帰が決まる状況となっている。(文・林 遼平)