3年ぶりのJ1で躍進するチームの陰で、柿谷は苦悩を抱えてプレーを続けてきた。ユン・ジョンファン監督に与えられたポジションは左サイドハーフ。「起点を作ってボールを落ち着かせてほしい」(ユン・ジョンファン監督)という明確な理由もあった。柿谷本人も、指揮官の求めるタスクを忠実にこなしていた。それでも、最も輝くポジションはFWだという自負もあった。8月のリーグ戦では途中交代を告げられることも多く、天皇杯では、遠征に帯同しないことが決定した練習後、真っ先にロッカーへ引き上げる姿もあった。「どんなときでもチームを助けたい」。その思いが叶わない悔しさ。心の内が透けて見えた。
それでも、G大阪とのルヴァンカップ準決勝第2戦。この試合で2トップの一角として先発した柿谷は…