■東京V
リベンジの準備着々。古巣戦・染野も虎視眈々
ここ5試合で2得点とゴールが奪えないチームは26日の公開練習で、しきりに両サイドからのクロス練習を繰り返していた。ここでひと際ネットを揺らしていたのが染野だ。リーグ中断期間では「シュートまでの動き出しや自分がフリーになるために、味方にパスをつけながらいいところに入っていければ点を取れる。そこまでの過程を大事にしていく」と、最前線から再現性のある形を作ることに尽力。自身も今季二度目となるこの古巣戦でゴールを奪うため、虎視眈々と準備を整えてきた。
さらに、プレーが切れそうになったタイミングでは、城福監督が「もっとやり直せ、ゲームを意識しろ」と指導。強烈なカウンターをもつ鹿島の攻撃に対してはトランジションを強調し、警戒を強めている。その上で、チームとしていかにボール保持率を高めて敵陣に押し込み、チャンスを逃さず仕留められるか。「ペナルティーエリアの中に相手を入れさせればアウェイの鹿島戦(第2節/0●4)のように、あっけなくレオ・セアラにやられてしまう。われわれがどの陣地でサッカーをやるのかを、自分たちで研ぎ澄まさないといけない」(城福監督)。
新井が出場停止となる中で、練習から質の高いラストパスや華麗なシュートを見せていた齋藤のシャドー起用もあるだろう。同ポジションや右WBで先発を争う松橋は「優勝に対するモチベーション以上のものをもって試合に挑みたい」と意気込み、森田も体を投げ出してブロックするなど練習から気持ちの入ったプレーを披露。ホーム最終戦で今季の集大成を披露し、首位の鹿島に一泡吹かせてみせる。(文・藤井 圭)
■鹿島
悲願への次なる門。緑の堅守をこじ開ける
前節、5バックで自陣を固める横浜FCを下した鹿島は、さらなる堅守を誇るチームを相手にする。ここまで36試合を消化したJ1で、その半分に迫る17試合で相手を無得点に抑えてきたのが東京Vだ。悲願のタイトルを獲得するには、彼らの守備をこじ開けなければならない。
東京Vは前線からのプレスを特長とする。4バックのチームと対戦するときは、右サイドの内田が前に出て、頂点の染野とともにプレスをかけてくる。鹿島としては左サイドからスライドしてくる相手をうまく崩していきたい。小川、三竿、鈴木の3人の連係が問われることとなりそうだ。その上で、レオ・セアラ、田川の得点力を生かしたい。
守備では染野に起点を作らせないことが求められる。植田やキム・テヒョンは厳しく当たることになるだろう。今回も立ち上がりの落ちつかない時間帯は長いボールの蹴り合いになるはずだ。チーム全体でいい入りをしたい。
このところは前半の不出来を後半で修正する展開が多い。前節も「今日の前半でできなかったことを、もっともっと長い時間やれるようにやっていきたい」と鬼木監督は振り返っている。
その準備は入念に行われた。週始めの基礎練習は公開されたが、その後の戦術練習は完全シャットアウト。9年ぶりのリーグタイトル獲得に向け、打てる手はすべて打とうとするクラブの姿勢から、優勝への並々ならぬ意気込みが感じられる。
8年の長い時間、背中を押し続けてきたサポーターとともに、勝利を目指して味スタへ乗り込む。(文・田中 滋)