王者を襲った猛烈な前プレ。鳥栖が前半で勝負を決める
明確なスタイルを持つ者同士の激突。鳥栖は守備時、川崎Fの立ち位置に合わせる形でマンツーマン守備を展開し、前線から激しく追い回す。勢いそのままに3分、鳥栖が先制。飯野のグラウンダーのクロスを岩崎がうまく流し込んだ。ここ数試合は相手にボールを蹴られる展開が続き、守備でよさが出せなかった鳥栖だが、王者相手にその心配はなく、果敢に前に出る。川崎Fも13分、大島のスルーパスからマルシーニョがクロス。遠野がフリーで合わせるが、シュートは枠外。すると20分、鳥栖が追加点を奪う。サイドチェンジから飯野がクロスを入れると、ゴール前の酒井にピンポイントで合い、うまく頭で流し込んだ。川崎Fも26分、サイドチェンジを起点にエリア内に進入した脇坂が折り返し、小林が合わせるがこれは惜しくもポスト。決定機をモノにすることができない。31分には飯野のクロスがこぼれたところを酒井がボレー。これが山村のハンドを誘発し、PKを獲得。キッカーの小屋松がこれを落ち着いて沈めて、鳥栖がリードを3点に広げた。その後も前線でのボール奪取からカウンター気味にチャンスを迎えるなど本来の形が出た鳥栖が、大量リードで前半を折り返す。
後半に入ると、川崎Fは鳥栖と同じ[3-1-4-2]に立ち位置を変更。互いに守備時はマンツーマンを展開し、1対1の局面が各所で発生するようになった。川崎Fは車屋がワンツーからミドルを放つなど好機を作るが、以降はなかなかチャンスを作れず。63分、ジェジエウを投入したタイミングで川崎Fは再び4バックへ。鬼木監督は次々と手を打つ。しかし、そのジェジエウが71分に膝を痛めて交代となってしまう。
そのアクシデントの影響を感じさせず、川崎Fが終盤にかけて猛攻を見せる中、90+1分、ゴール前の混戦から途中出場のレアンドロ・ダミアンが押し込み、1点を返す。しかし、反撃もここまで。後半は王者の圧力に苦しんだ鳥栖だったが、前半のリードを生かし、自分たちのスタイルで勝ち切った。(文・杉山 文宣)