テクニカルかつ激しい接戦。札幌が逃げ切りに成功
札幌も浦和も、能動的なボール保持を志向するチームとあって、どちらもそれを貫き、互いに相手のそれを封じようとした。この日は札幌がジェイではなく小柏を、浦和がキャスパー・ユンカーではなく興梠をそれぞれ1トップに配置。そこからタイトな守備を仕掛けてショートカウンターに転じようとする狙いが一致していた。そして、互いに相手の狙いをかいくぐろうとする志も一致しており、どちらかがポゼッションを開始すれば相手はすぐに複数人で囲い込み、そこで攻守が入れ替われば、ボールを奪われた側は即時奪回を目指してトランジションをする。空調が整った札幌ドームだからこその、入れ替わりの激しいバトルとなった。
先手を取ったのは札幌。8分、互いに攻め合うなかで得た右CKに「いいボールが来たので(自分は)当てるだけだった」と振り返った深井が自身のJ1通算100戦目を祝うヘディング弾を決め、札幌が先制。「いい入りができていたが、失点で苦しくなった」とは浦和のリカルド・ロドリゲス監督の弁。その後も互いにボールを動かし、互いにプレスをし合う強度の高い、それでいてフェアな好ゲームが続いていく。
後半からは浦和が両SHを押し上げ、「僕のところがスイッチとなり、うまくできた」と明本が振り返ったように、浦和がよりタイトに前線から圧力をかける展開に持ち込み徐々に盛り返す。だが、そんな最中の58分、わずかなスキを突いたカウンターから、小柏が槙野とのマッチアップを制して貴重な2点目をゲット。テクニカルかつ強度のある接戦は、内容としては拮抗していながらも、札幌が2点のリードを得て優位に立った。
その後は浦和がユンカーや汰木、大久保らアタッカーを入れて攻め込む。66分の明本の得点で1点差としてからも攻勢を強めるが、札幌は敵陣で巧みにボールを動かしてリスクマネジメントしながら時計を進め、岡村らCBも投入して逃げ切りに成功。勝点を『32』とし、ついに一ケタ順位へと浮上した。(文・斉藤 宏則)