
6大会連続で決勝トーナメントに進んでいるメキシコ
体格的に似た中堅国から学ぶべきこと
メキシコは以前から、「日本代表が参考とすべきチーム」と言われてきた。ブラジルW杯に出場した選手の平均身長は、日本の177.4cmに対してメキシコは178.4cmと1cmしか変わらず、体格的にはほぼ同じ。それでいてW杯には20回中15回に出場し、94年米国大会から今大会に至るまで、6大会連続で決勝トーナメントに進出している。
プレーの特色は何と言ってもパスワークだ。選手たちが縦横無尽に動き回りながらショートパスをテンポ良くつなぐスタイルはメキシコの代名詞とも言えるモノで、指揮官が代わり、布陣が変更になっても、根底には常にパスサッカーがある。
もう一つ、日本が模範とすべきスタイルを実践しているチームがある。
グループステージでスペインを破り、2大会連続で決勝トーナメント進出を果たしたチリだ。2010年南アフリカ大会の時、チリはアルゼンチン人のマルセロ・ビエルサ監督に率いられていた。規律を重視し、戦術に選手を当てはめ、ハードワークを求める彼のスタイルは南米諸国の中では特に生真面目だと言われるチリ人の気質にうまく合致し、ピッチで印象深いプレーを見せた。そのスタイルは当然ながら日本人にも合うと言われ、南アフリカ大会後には日本代表監督の候補の一人として名前が取り沙汰されていた。

ビエルサからバトンを受け取ったサンパオリ監督
そのビエルサは2011年1月にチリ代表監督を退任しているが、チームは今大会でもハイプレスやアップテンポなパスワーク、縦方向への鋭い攻撃など、ビエルサ時代と似たようなサッカーを実践している…