もはや、武藤の活躍を特別視する必要はないのかもしれない。これで今季リーグ戦7ゴール。これはFC東京の新人最多記録だ。ハビエル・アギーレ日本代表監督が訪れると、「武藤を視察」と周囲が沸き立つのも当然である。
実は、この試合の武藤が見せた輝きには、そうした数字や話題性以上のモノが隠されていた。華麗に流し込んだ1点目に、素早く右足を振り抜いて奪った2点目。二つのゴールは見た目も良い。ただし、より価値のある得点は、2点目だった。
3-1と一度は2点のリードを奪ったものの、FC東京は浦和に2点を返され追い付かれてしまう。青赤の選手の足は止まり、浦和の素早いサイドチェンジを軸とした攻撃に、防戦一方となっていた。一発で、チームを苦境から好転させる。武藤はそんなエース級の働きをここで示した…