Feature 特集

シャムスカ・ジュビロ、チーム作りに失敗

2014/10/3 11:52 0

選手と監督との関係は冷え切っていたという



強過ぎたリアクションの度合い

 浮き彫りになったのは、チーム作りの難しさだ。

 磐田は先月25日、シャムスカ前監督の解任と、名波浩氏の新監督就任を発表した。『1年でのJ1復帰』を掲げ、今季よりスタートしたシャムスカ・ジュビロ。第34節終了時点で3位という順位は誤算で、途中解任も止むを得ない。

 苦しんだ理由の一つは、いわゆる“リアクション”の度合いが強過ぎたこと。それを象徴する“珍事”があった。9月のアウェイ3連戦。9日間で岡山(J2)→C大阪(天皇杯4回戦)→長崎(J2)の3試合を戦うタイトな日程だった。その初戦の第30節・岡山戦(1△1)の翌日、練習場に指揮官の姿はなかった。それもそのはず。その日、シャムスカ監督は練習をコーチ陣に任せ、等々力にいた。天皇杯4回戦で対戦するC大阪を分析するために、である。J1相手にそれだけ気合いが入っていたのだろうが、これが選手・スタッフの信頼を失う決定打となった。

“ リアクション”に重きを置く一方“、アクション”を突き詰める作業は進まなかった。例えば、攻撃面だけを見ても統一感を欠く。ポポ、チンガといった俊敏なブラジル人アタッカーはシンプルな速攻を好んだが、「速攻だけでは厳しい」とポゼッション率をさらに高めるべきと考える選手もいた。それらのイメージが束ねられることはなく、選手個々の判断で動く場面が目立った。この点、加藤久GMも「チーム作りのコンセプト、戦術的なベースが浸透していなかった部分はある」と認めている。そのツケは、後半戦の成績にハッキリと出た。

 布陣変更も裏目に出た…

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