また軽やかにプレーする姿が、見たい。ボールによく触り、攻守ともにピッチを動き回る背番号10を、日本代表で目にしたい。香川真司。屈辱にまみれた6月のブラジルW杯を経て、新たな姿で日本代表に帰って来ようとしている。
インサイドハーフ。[4-3-3]システムにおいて、攻守でカギを握るポジションだ。ボールを受ければ、高い位置に出てFWとともに決定的な仕事をすることが求められる。守備ではアンカーやサイドの選手との距離感を意識しながら、相手の選手を監視。もちろんボールを奪い取ることも必要だ。それが、香川に与えられた新たな役割である。
「マンチェスター(ユナイテッド)で一度このポジションでやったが、全然アカンかった」
いまの香川は、あの赤いジャージーを着ていた香川ではない。ドルトムントに戻り、待望していた中央でのプレーを増やしている。屈強なDFが並ぶ敵陣バイタルエリアに臆することなく侵入して行き、細かいタッチとパスで周囲と連動しながら、自らもしかける。これぞ、香川のプレー。そんなシーンをドイツで徐々に取り戻している。
「イメージは、3トップとどう連係していくか。ボールに触れる時間も増える。トリプルボランチ気味ではなく、攻撃ではトップ下に近い位置に入りたい。自分はボールをさばくだけの選手ではない」 もちろん、守備の負担はこれまでのザックジャパン時代よりも増す。「守備の要求がたくさんある。球際の強さもそう。そこでハードワークしないと。粘り強く。そう意識したい」。
90分間のほとんどで深くプレーに関与していくポジションだがらこそ、時間によって消えることは許されない。常に前にも後ろにも顔を出すことが求められる。「後ろで組み立てにも参加して、さらに前に出る。それは自分の良さ。そこをストロングポイントとして、新しいチームに生かしたい」。
ハビエル・アギーレ監督の新抜擢。インサイドハーフ、香川真司。ハマれば、今度こそ日本代表は“香川のチーム”になる。(西川 結城)