
7年ぶり4度目の選手権出場を決めた日大藤沢。全国でも楽しみなチームだ。
神奈川県の決勝は7年ぶり4度目の選手権出場を狙う日大藤沢と、県立校ながら快進撃を見せて初の決勝進出を果たした厚木北の対戦となった。
最初にチャンスを迎えたのは日大藤沢だった。FKからDF吉野敬がドンピシャのヘディングで合わせるが、ポストを叩く。これで勢いに乗るかと思われたが、 リズムをつかんだのは厚木北。中盤で細かいパスをつなぎながら、虎視眈々とスキをうかがう。ただ、日大藤沢の最終ラインをなかなか突破できず、何度か訪れたシュートチャンスにも、この日先発復帰したキャプテン吉野が立ちはだかった。吉野は7月に負った疲労骨折の影響で決勝まで出場の機会はなし。それでも「この日のためにリハビリもやってきたので、あとはやるだけ」という気持ちで試合に臨んだ。その気迫にチームメートが応えたのは29分。MF西尾隼秀のCKをDF小野寺健也がきれいに頭で合わせ、日大藤沢が先制した。
後半になると一進一退の攻防が続く。厚木北は53分、スルーパスに反応したMF森勇人がクロスを入れると、FW曾我涼のシュートが相手DFに当たりネットを揺らす。しかし、これはオフサイドで得点は認められない。78分には日大藤沢。途中出場のMF田場ディエコからのパスを受けたFW蛭田悠弥が強烈なシュートを放つがGKの見事なセーブに阻まれた。厚木北は終了間際にGKも上がり総攻撃を見せたが、日大藤沢の体を張った守りの前に最後まで得点を奪うことはできなかった。
桐光学園や桐蔭学園など強豪校を破り、堂々の神奈川制覇を果たした日大藤沢の佐藤輝勝監督は「昨日も卒業生に『日藤サッカー見せてくれ』と言われたように、それを根付かせてきたので、7年目でやっと咲いたかなと思う」とひさびさの歓喜の味をかみしめていた。
練習は嘘をつかず。勝敗を分けたセットプレー
「(厚木北は)粘り強いチームだったので僅差のゲームになる」という日大藤沢の佐藤輝勝監督の戦前の予想どおり…