自動昇格に手が届かなかったシーズンとはいえ、天皇杯決勝進出を含め、シーズン終盤からポストシーズンにかけての山形は、技術力以上に、見る者に何がしかの熱量が伝わる試合を続けている。そのベースには、走り負けないことや集中を切らさないことがあるが、日々の地道なトレーニングが成果となるまでには長い時間を要した。
4月13日の第7節・京都戦では、2-1のリードから後半ロスタイムに同点とされた。ゴールを決めた京都のFW大黒の技術もさることながら、後半に足が止まり、防戦一方となったことが招いた失点でもあった。だが、秋が深まるにつれて山形は変化を見せる。立ち上がりからのハイプレスがガス欠につながるのはある程度覚悟の上だった、9月10日の天皇杯4回戦・鳥栖戦(1○0)。メンバーを大幅に入れ替えたとはいえ、9月6日のJ2第30節・水戸戦(1○0)から中3日のアウェイ連戦の条件下で、鳥栖に走り勝った。今季初のリーグ戦連勝を飾った10月19日の第37節・岡山戦(4○1)も、週中に天皇杯を挟むハンディキャップマッチとなったが、ここでもハードワークを掲げる岡山を上回る。また、GK山岸の劇的な決勝ゴールが記憶に新しい11月30日のJ1昇格プレーオフ準決勝・磐田戦(2○1)も、日程的なハンディを背負いながらの試合だった。
岡山戦の前後には…