
1st第5節終了時の平均採点トップは森重(FC)東京だった
Jリーグ開幕から1カ月あまりが経ち、J1は5試合、J2は7試合を消化した。本紙では序盤戦を振り返り、担当記者がつける採点を加味してMVP、ベストイレブンを選んでみた。J1の採点上位にはおなじみの名前が並び、ベストイレブンも“順当な結果”となった。その中で本紙がMVPに選んだのは鉄壁の守りを誇るチームの守護神だ。
決定機をことごとく防ぐ権田修一をMVPに選出
ポジション別の平均採点では首位に立つFC東京勢が目立つ。中でもFW武藤嘉紀、DF森重真人、GK権田修一がそれぞれのポジションでトップに立つ。MVPはこの3名で迷ったが、平均採点が最も高い森重ではなく、1st第2節・横浜FM戦(0△0)などを始め、ビッグセーブが目立った権田を選出した。
また、ベストイレブンには6ゴールで得点ランクの単独首位を走る宇佐美貴史(G大阪)は文句なしで選出。MF部門で平均採点トップの今野泰幸(G大阪)はけがからの復帰以降チームが3連勝していることから、その存在の大きさが分かる。もう一人のボランチは迷った末に、ここまでフル出場を続け、ゲームメークにも長けた青山敏弘(広島)に決めた。両サイドのMFにはFC東京と並んで首位に立つ浦和から宇賀神友弥を選出。右サイドには今季、鹿島に加入しすでに3ゴールを挙げている金崎夢生を選んだ。DFは右SBにリーグ最少失点タイのFC東京から徳永悠平を、左SBには成長著しい車屋紳太郎(川崎F)をピックアップした。また、森重とコンビを組むCBには、DF部門の平均採点で2位に付ける鎌田次郎を選出。今オフに主力が流出し、苦戦も予想された仙台の失点をここまで『3』に抑える活躍を見せている。そして、監督には緻密な采配でFC東京を首位に押し上げたマッシモ・フィッカデンティを選んだ。
シュートキャッチにこだわりを持つ青赤の守護神

GK 1 権田修一(FC東京)
とにかく、こだわりのある男。そのストイックな姿勢はプロ選手の中でも群を抜く。そんな権田の最近のプレーにも、あるこだわりが隠されていた。シュートをキャッチする。はじき出すのではない。極力、自分の腕の中にボールを収めるのである。
「最近のGKの時流として、際どいシュートははじき出すという指導をされることが多い。ただ、僕はそれがイヤで。できる限りしっかりボールを捕りたい。そのために大事になってくるのが、ポジショニングと予測。準備の動作をしっかりできていれば、シュートの正面に入ることができる」
1st第2節・横浜FM戦(0△0)で見せた、二つのビッグセーブ。兵藤慎剛が放った2本のシュートはいずれもキャッチするには難しいシュートだったが、それをスタンドから目の当たりにしたヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表監督は「FC東京のGKは素晴らしかった」と語り、代表入りにつながった。そのセーブがここまでのハイライトとして取り上げられるだろうが、毎試合取材してそれ以上に印象的なのが、やはりシュートをキャッチする意識。相手がここぞというタイミングで放ったシュートも、ゴール前でしっかり正面に入って自分の懐にボールを収める。そんな権田を、常に目にしてきた。現在4試合連続無失点で、セーブ率はJ1トップ。“キャッチ”に対する意識の高さが、権田の集中力を向上させている。
最後に、以前に彼とまったく同じ考えを、あるGKから聞いたことがある。それは、権田が最も尊敬するGK・楢崎正剛(名古屋)。偉大な守護神と同じ姿勢で、自らのプレーと向き合っている。(西川 結城)
J1 MATCH DAY 1-5 BEST ELEVEN

[4-4-2]
GK
権田修一(FC東京)
平均採点6.70
ここまでセーブ率は81.8%とJ1トップ。1st開幕戦では2失点を喫したが、その後は4試合連続で無失点を続けている。首位浮上はこの男なしではあり得なかった。
DF
車屋紳太郎(川崎F)
平均採点6.20
大卒ルーキーであることを忘れさせるほどの能力の高さを見せている。ハリルジャパンのバックアップメンバーにも選ばれ、これからの活躍にますます注目が集まる。
鎌田次郎(仙台)
平均採点6.50
今オフに角田誠(川崎F)、渡辺広大(山形)など主力が大量に流出した仙台が好位置に付けているのはこの男の存在抜きに語れない。新加入・渡部とのコンビも◎。
森重真人(FC東京)
平均採点6.80
序盤戦で最も本紙平均採点が高かった青赤軍団のディフェンスリーダー。ただ、1st第4節・甲府戦(1○0)でのPK失敗はしっかり決めてチームをラクにしたかった。
徳永悠平(FC東京)
平均採点6.40
“飛田給の高速ゴリラ”は今季も抜群の安定感を誇り、4試合連続の完封に貢献している。1st第3節・神戸戦(2○0)ではペドロ・ジュニオールを完璧に抑えた。
MF
今野泰幸(G大阪)
平均採点6.50
1st開幕戦、第2節はけがで欠場。第3節・甲府戦の後半から投入されると、試合を一気にG大阪のペースに引き込み、チームに今季初勝利をもたらした。
青山敏弘(広島)
平均採点6.20
一時は首位にも立った広島を中盤の底からけん引。そのパフォーマンスが評価され、代表にも復帰。3月31日のウズベキスタン戦では代表初ゴールも記録した。
宇賀神友弥(浦和)
平均採点6.13
橋本和とのポジション争いを制し、開幕の湘南戦(3○1)では決勝点を記録。このゴールが首位・浦和の序盤戦の流れを作ったと言っても過言ではない。
金崎夢生(鹿島)
平均採点6.30
1st第2節・湘南戦(1●2)から3試合連続ゴールを決めるなどなかなか結果の出ないチームの中で孤軍奮闘。代表に呼ばれてもおかしくないパフォーマンスだ。
FW
武藤嘉紀(FC東京)
平均採点6.70
イングランドの強豪チェルシーから正式なオファーを受けて序盤戦の話題をさらった男は5試合4得点としっかりピッチ内でも結果を残し、チームを首位に浮上させた。
宇佐美貴史(G大阪)
平均採点6.50
ここまで5試合中4試合で得点を奪い、得点ランクのトップに立つ宇佐美。唯一点が取れなかった1st第2節・鳥栖戦では0-1と敗戦。やはりG大阪の連覇のカギは彼だ。
監督
マッシモ フィッカデンティ(FC東京)
平均採点6.40
平均採点『6.40』は2位に『0.3』の大差を付け、飛び抜けている。首位を守った経験が少ないチームをどう導いていくか。真価が問われるのはこれからだ。
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