■名古屋グランパス
初勝利を手にした新システム継続も
全員守備からのカウンター。守備に重心を置いたその戦いぶりは、勝ち点を荒稼ぎした昨季後半戦を彷彿とさせるモノだった。
前節・広島戦(2○0)。名古屋は[3-4-2-1]を採用し、会心のリーグ戦初勝利を手にした。前から奪いに行き、外されればすぐに5バックを形成。守備を安定させた上で、攻撃に転じる際はたとえ低い位置からでも前に出ていった。中でも指揮官は「永井と(矢野)貴章には負担が掛かるが」と労ったが、特別なスプリント力を持つ彼らに信頼を置くからこその言葉でもある。明確な役割分担の下、ようやく戦術と選手個々のプレースタイルがマッチした。
もちろんこれは対広島の特別プランで、遅攻からの崩しには相変わらずの課題を残している。そのため清水戦に向けては思案を巡らせる指揮官だが、一方で「フィット感はある」と新システムへの手ごたえも口にした。15日には広島戦を欠場したノヴァコヴィッチも合流したため、すべては16日の非公開練習で決めることになるが、「ベースを大幅修正することはない」(西野監督)。まずは守備から入る――。広島戦の勝利と結果が、失点の続いていたチームを前向きにさせていることだけは間違いない。(村本 裕太)
■清水エスパルス
右SBに入るのは三浦か、河井か
1試合1失点以下。昨季34試合60失点という成績から、今季大榎監督は守備の改善を第一の目標に掲げた。その具体的な数字が、冒頭の数字だ。しかし、第5節終了時点で7失点と、早くも試合数を2点上回った。得点数のように1試合で稼ぐこともできず、地道に無失点試合を積み重ねていくことでしか目標に到達できない。その第一歩となる今節はヤコヴィッチが出場停止明け。背後へのスピード、またフィジカルで圧倒できるCBの復帰は心強い。これで、名古屋がノヴァコヴィッチを使ってきても、川又でも、ある程度対応できるだけの戦力がそろったことになる。
あとは右SBだろう。犬飼は前節試合中に右ひざ内側側副じん帯損傷のけがを負い、今節の出場は絶望。ほかにこのポジションで考えられるのは、三浦と河井の二人。三浦の高さと身体能力を取るのか、それとも河井の頭脳を取るか。左SBには福村が順当に出場するとなれば、セットプレー対策も考慮して右には高さが欲しい。そうなれば三浦が先発の座に近付くが、俊足の永井に対して過去の名古屋戦で距離を取って抑えた実績のある河井も外し難い。いずれにしても、どんな最終ラインでも無失点を目指さなければいけない。(田中 芳樹)