今季からJリーグが走行距離やスプリント回数などトラッキングデータを公表している(J1のみ)。そこで今回は同じようにトラッキングデータを公表しているドイツ・ブンデスリーガと比べ、Jリーグの現在地を考察してみた。そこから見えてきたのは世界との“差”だった。
バイエルンは走っていないのになぜ強い
ドイツ・ブンデスリーガ1部はドルトムントに代表されるように欧州リーグの中でも“走力”が高いリーグとされている。J1リーグと世界との距離を測るのに最適なリーグと言えるだろう。
そこでまず両リーグの今季ここまでの平均走行距離、スプリント回数を比べてみた。するとどちらもブンデスリーガ1部のほうが上回った(右図参照)。中でも大きく差が開いたのがスプリント回数。日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は先日J1を視察して、激しさやインテンシティー(プレー強度)の部分について物足りなさを口にしたが、こうした部分が関係しているのかもしれない。例えば12日に行われたJ1・1st第5節・川崎Fvs浦和の上位対決はスプリント回数が合計で300回だったのに対し、3月22日に行われたブンデスリーガ第26節のバイエルン・ミュンヘンvsボルシアMGの上位対決は402回だった。両リーグの上位対決だけを見ても100回近く差がある。試合の質を上げるという意味でも攻守の切り替え、アグレッシブな姿勢といった部分の追求はしていかないといけない。
またこのデータをチーム別で見たときに興味深かったのがバイエルン。今季、3連覇を狙うドイツの絶対王者だが、意外にも平均走行距離はリーグで一番少ない。これは“走らされていない”ところが大きいだろう。ほかのチームはやはり走らされて走行距離が伸びてしまう。ではなぜ走らされないのか。それはプレーの質が高いからだ。バイエルンがパス成功率で90%を越える試合をすることは珍しくない。ミスが少なければ、ボールを奪い返すために走る必要はない。ただ、これを各国の代表選手が集まるリーグでやってしまうのだからバイエルンというチームは尋常ではない。
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走行距離(チーム)で検証
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スプリント回数(チーム)で検証
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走行距離(個人)で検証
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スプリント回数(個人)で検証