「結局は結果だからね」。ややぶっきらぼうないつもの口調で、水谷は鳥栖戦について語った。「内容は良くなっていても、(チャンスを)決めて、(ピンチを)止めないと。もっと選手一人ひとりができると思う」。ボールを保持して、攻撃を組み立てることはできたがラストパスやシュート精度を欠いて、得点はセットプレーからの1点のみ。逆に守備では少ない決定機から2点を奪われて試合に敗れている。失点はいずれもGKの責任は問いにくい形だったが、それでも水谷には悔しさがあった。今年は開幕戦からポジションを確保し続けて、ピンチの場面を防ぐビッグセーブなど勝負強さを発揮している。ピッチ外でも平均年齢の低いチームにあって、若手を食事に誘うなど、よく兄貴分としての存在感を出している。体育会系の厳しさを出しつつ、時に取材を受けている若手選手の後ろに立って「ふ~ん、そうなんだ」と横槍を入れて、いじったりするひょうきんさもある。「みんなと話すのが好きだし、下のやつから学ぶこともあるからね」とは本人の弁。鈴木慎吾に次ぐ年長者としての自覚も出てきた。「自分たちの良さをみんなが意識すればもっとよくなるし、見てる人も面白いんじゃないかな」。成長段階にあるチーム、それを最後尾で支える頼もしき守護神の活躍からも目が話せない。