福岡の集中力欠如とミスを見逃さなかった鳥栖。質が勝敗を分ける
福岡にとっては負け方の中身が気になる試合となった。意図的に崩したかどうかは抜きにして決定機は福岡のほうが多かった。鳥栖に支配される時間は長かったが、被決定機のシーンは決して多くなかった。しかし、福岡は敗れた。それを招いたのは事前に最も意識してきたはずのJ1とJ2の差だった。
J1での戦いを前に福岡の選手たちが口にしてきたのは集中力とミスについてだった。前者について「集中力が高いのがJ1」というのが中村の言葉だ。しかし、8分、鳥栖のスローインに対してチェックが緩くなったところを突かれて豊田に得点を許した。後者については、「相手にうまく崩されるというよりは自分たちのミスからやられてしまうのがJ1。J2はミスしても最後の質の部分で相手が外してくれる」というのが亀川の言葉だ。しかし、51分、そのミスから失点してしまう。實藤が鳥栖のペナルティーエリア内にボールを入れるもそこに味方はおらず藤田がクリアする。キム・ミヌにボールが渡ろうとするところを實藤が慌てて対応するもフリックされ、岡田の独走を許す。岡田はそのまま、追加点を挙げた。
昨季は不用意につながず、ミスと集中力欠如の可能性を極力減らすことに力を注ぎ、少ないチャンスをモノにしてきた。今季、その戦い方を大きく変えたわけではない。それでいてピンチとも言えないような状況から2失点を喫している。「自分たちの戦いは間違っていない」と鈴木は前向きに捉えたが、前向きな敗戦だからこそ、集中力とミスの質という問題点がぼやけてしまう危険性もはらんでいる。ミスを見逃さなかった鳥栖の質と、決定機がありながら1得点にとどまり、鳥栖を助けてしまった福岡の質。前述の亀川の言葉どおり、そこにはJ1の壁があった。(杉山 文宣)