Practice Report 練習場レポート

[千葉]エルゴラ掲載コラム:CB+ダブルボランチで相手の強みをつぶす/杉山文宣

2012/6/13 0:00 0

 ポイントはコンビではなくカルテットだった。甲府で最も警戒すべき選手はダヴィ。この猛獣封じのカギを握るのは、山口智と竹内のCBコンビだと思われた。だが千葉はCBの二人に加え、ボランチの2枚を加えたカルテットで盤石の態勢を整えた。
 ストロングポイントは表裏一体でもある。ダヴィは強烈だが、それは「クロスにしても縦パスにしても必ず最終的にはそこに入れてくる」(佐藤勇)ということ。そこで千葉はボランチとCBの距離をテーマにそこを封じ込めた。肝となったのはボランチの佐藤健。「CBとの距離が離れ過ぎないように」(佐藤健)最終ラインの二人と絶妙なトライアングルを形成し続けた。常にダヴィを挟み込める状況にし、できる限りの自由を奪う。そして、クサビが入れば竹内が厳しくつぶし、セカンドボールには佐藤勇が常に目を光らせる。裏に抜けようとすれば山口智がラインコントロールで勝負する。もちろん、出し手に自由を与えない前線の守備も見逃せなかったが、ダヴィ封じの重要な役割を担っていたのはボランチとCBの4人によるカルテットだった。
 立ち上がりは甲府ペース。千葉はオフサイドトラップに失敗し、ピンチを招くなどのミスもあったが、それでも悪い時間帯を耐えられたのは、ダヴィ封じという目的のために、やるべきことを怠らず修正できたからだろう。試合全体の流れを修正するまでに時間はかかったが、前節、敗れた岐阜戦でできなかった点でもある。
 30分、米倉の先制点後、千葉は危なげない守備組織を築き、カウンターの機会をうかがいながら試合を運んだ。もちろん、3点目を取れたはずの展開ではあったが、失点するような場面も訪れなかった。J2屈指と言えるCBコンビに加えてボランチが形成したカルテットが、連敗阻止となる貴重な勝ち点3を呼び込んだ。

(提供元:サッカー専門紙EL GOLAZO)


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