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―清水―「あきらめなくてよかった」。加藤拓己、決意の再発進/オフ・ザ・ピッチの物語

2024/12/22 21:11



 2023年9月3日、加藤拓己は3年連続で左膝前十字靭帯を負傷。あれから1年と5日、三保グラウンドで行われた練習試合に、加藤の姿があった。
 昨年には「引退する決断を下していた」が、「ゴリならまだやれる」との言葉を信じ、戦いをスタートさせた。クラブの尽力もあり、世界的名医として知られるラモン・クガット医師のもとを訪れ、最先端の治療を受けた。日本に戻る際には「今後のゴリのサッカー人生で、膝の心配をすることはない」と約束されたという。
 今季よりチームに加わった木村マルコストシフミPT(理学療法士)との出会いも大きかった。「キツいのは当たり前。それくらいやらないと戻れないというスタンス」(加藤)の木村PTのもと、「これまでの自分には甘さがあった」と気付かされ、ハードなリハビリをこなした。
 そんな二人の支えもあり、練習試合のピッチに戻ってきた加藤が口にしたのは、「あきらめなくて本当によかった」というシンプルながらも力強い言葉だった。
 次なるステップは、公式戦の舞台へ戻ることだ。今季は選手会長として、チームがハイレベルな日常を過ごすためにさまざまなルールを制定するなど、陰から優勝に貢献したが、清水での公式戦デビューはかなわなかった。
 もう一つ、宮市亮(横浜FM)や深井一希(札幌)の姿に励まされてきたという加藤には、「前十字のケガを繰り返している人の希望になりたい。選手として、何度だって立ち上がる姿を見せていきたい」という思いもある。
“プロサッカー選手・加藤拓己”のキャリアは、まだ始まったばかりだ。(文・榊原 拓海)

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