プロになったら38番をつけたい。神田奏真はずっとそう思ってきた。ルーキーイヤーの昨季も『38』は空いたが、23年当時にU-18に所属していた江原叡志(現・日本大)が翌年をまたぐACLで登録されていたためにかなわなかった。今季は晴れてつけられる。すぐに背番号の変更をクラブにお願いした。『38』は一般的に特別な番号ではない。だが、神田家にとっては特別だ。小学4年生になるとき、ジュニアチームを卒業した3歳上の兄から譲り受けたのが38番だった。幼少期から一緒にサッカーをしていた兄から譲り受けた番号は特別で、両親にとっても二人の息子がつけた番号は特別だった。
他人にとってはなんでもない番号であることもまた、背負う理由になる。「自分の番号にできたら」。思いの先には家長昭博がいる。『41』というなんでもない番号に確固たるイメージをつけた大先輩が。
家族の思いも背負いながら、「普段からコミュニケーションを取ってくれるし、お世話になっている」家長のように『38』を自分の番号にする。プロデビュー戦でゴールを決めるなど昨季終盤、ポテンシャルの片鱗を見せたストライカーが、新たな番号で2年目のブレイクに挑む。(文・菊地 正典)