水戸、悲願のJ2制覇&J1昇格! 大一番で表れた真骨頂
前節、水戸は勝てばJ1昇格とJ2優勝が決まる長崎との首位攻防戦で敗れて、2位に転落。今節引き分け以下に終われば、3位・千葉と4位・徳島の結果次第で自動昇格を逃す可能性があった。「心理的に難しい試合だった」と森監督が振り返るように、大きなプレッシャーがかかる一戦となった。
驚かされたのは、この試合における水戸の先発平均年齢だ。23.82歳。これまでチームを引っ張ってきた飯田は前節の負傷が響いて欠場。渡邉は約2カ月ぶりにメンバー入りを果たしたものの、ベンチスタートに。大分よりも約5歳も若いスターティングメンバーで運命の一戦に挑んだのだった。水戸の命運はその若い選手たちに託された。
だが、1年間、昇格争いを戦ってきた若い選手たちはたくましかった。守備を固める大分に対して、攻め込みながらも得点を奪えないきっ抗した展開が続いた中でも「相手の特徴的にそういうゲームになることは分かっていたので、焦れずに進めていけば、点は入ると思っていた」と大森。水戸は決して慌てることなく、相手にスキを見せないようなゲームマネジメントをしながら、試合を進めていった。
前半は得点を奪えず、0-0で終えたものの、後半開始直後の46分に試合は動いた。大分のペナルティーエリア内右でボールを受けた齋藤がクロスを上げると、これに飛び込んだ多田が頭で押し込み、先制に成功。さらに攻め手を強める水戸は75分、中央でボールを受けた山本が強烈なミドルシュートを叩き込んで追加点を奪った。ゴールを決めた二人とも今季大卒で水戸に加入したルーキーである。さらに、今季初先発となった21歳のGK春名や、第5節以来の先発出場となった大卒2年目で主将を務める牛澤も活躍を見せて勝利に貢献。この大一番で若手が躍動する姿に“育成の水戸”の真骨頂が表れた。
クラブ創設31年目、J2参入26年目。“育成”と“結果”を追い求めた水戸が、ついにJ1への扉をこじ開けた。(文・佐藤 拓也)