最終盤に2発。広島、スキッベ監督のリーグ最終戦を制す
監督が今季をもって退任するチーム同士の対戦になった最終節は、お互いに今季を象徴する一戦となった。
広島のサポーターが4年間を指揮したスキッベ監督への感謝の気持ちをこめたコレオでEピースを彩って始まった試合は、両チームが積極的にゴールへ向かう好ゲームとなった。
山口監督は「しっかりと自分たちの表現しようとするところは出せたと思います」と振り返っている。チャンスをなかなか決めきれないも、広島のロングスローに対して攻め残る人数を多くするリスクのある守り方をとったことなど、自分たちで主導して試合を運ぶ意思を表していった。対する広島はいつもどおり、スキッベ監督の下で培ったサッカーを体現。マンツーマンでボールを奪いにいく守備は、湘南の選手が流動的に動くことで難易度は高まったが、選手同士が応用力を発揮し、古巣戦に燃える田中聡が走力で広範囲をカバーした。そして、自慢の守備陣の個の力で湘南の攻撃を防いでいく。
監督の情熱やスタイルを感じるサッカーを両チームが展開していく中、78分に湘南が先制。高い位置でボールを奪ってカウンターを仕掛け、途中出場の藤井が勢いよく右サイド深くまで進入してクロスを入れると、対応にあたった川辺の足に当たってボールはゴールマウスに吸い込まれた。追う展開になった広島は菅とヴァレール・ジェルマンを入れて強みのセットプレーをさらに強化。86分に菅の蹴ったCKにジェルマンが合わせて追いつき、終了間際にも菅がCKを蹴った際にエリア内でのファウルが認められPKを獲得して勝ち越した。
湘南は2本のCKで試合をひっくり返され、山口監督は「今年を象徴するゲームだった」と言って、CKに至る過程から一人ひとりが見つめ直す大事さを訴えた。広島はセットプレーで総得点の半分近くを奪ってきた今年のチームらしい豪快な逆転勝ちを収め、スキッベ監督は「Jリーグの中でも素晴らしい試合を最終節でもできた」と胸を張った。(文・寺田 弘幸)