名古屋・吉田、フェンロ移籍に前向き

日本代表MF本田圭佑（23）が所属するオランダ1部リーグ（エールディビジ）フェンロが、J1名古屋DF吉田麻也（21）の獲得へ正式なオファーを出したことが、4日明らかになった。年俸はエールディビジが定めるEU圏外選手に対する最低賃金である50万500ユーロ（約6千7百万円）、契約期間は2年半にオプションとしてフェンロ側に1年の延長が与えられるという条件となっている。

この日、豊田市内の名古屋のクラブハウスを吉田の代理人である清岡哲朗氏（日本サッカー協会に認定選手エージェント）が訪れ、フェンロからの正式なオファーレターを名古屋側に提出した。名古屋のJrユース、U-18出身で07年にトップ昇格を果たし3年契約を結んだ吉田は、2010年1月末で名古屋との契約が切れ、このまま退団となった場合も移籍金は発生しない状況となっている。

フェンロ移籍が決まれば、吉田は1月初旬に渡蘭、そのままチームのトルコキャンプに参加し、地元強豪クラブのガラタサライやベジクタシュと練習試合を行う。そして帰国後はウィンターブレイク明けとなるリーグ・フェイエノールト戦でのデビューを目指す予定となっている。

代理人の清岡氏は「フェンロはCBのレギュラーとして期待している」と、即戦力として迎え入れる予定であると述べた。吉田本人も元々海外志向も強く、今回の件についても「前向きに考えたい」と語っている。一方名古屋側も「当然うちとしては貴重な戦力だけに、慰留に努めなければならない」（久米一正GM）と、今季公式戦40試合に出場し、守備陣の主力として成長した若きDFリーダーに対し、5日にも契約延長交渉を開始する模様だ。ただ吉田との契約が切れる名古屋に拘束力はないだけに、今後は難しい交渉を迫られることが必至だ。