番記者メモ:天才の復活、前田俊介/ 大分担当 伊達洋介

　「あいつは本当に天才」と現在スペインで活躍中の家長も認める天才がいる。それが前田である。

広島ユース時代から、彼は本当に輝いていた。U-20代表時代もその左足はサポーターを魅了した。しかしである。現在のトータルフットボールの時代において、技術力で勝負していたFW前田は、出場機会を失っていったのである。昨季はシーズン途中にFC東京に移籍し、新天地での復活に期待がかかった。それも指揮官はU-20代表時の監督・大熊氏であったため、よりその期待は高かったのである。
だが、前田は輝くことが出来なかった。半年間のFC東京生活を経て、彼は大分に戻ってきたのである。

　そんな前田であるが、現在彼は大分のFWの軸となりつつある。「西とのコンビは面白いものがある」と田坂監督も認めるように、彼ら2人のコンビは大分の新たな武器となる可能性を秘めている。「結果を残すだけ」（前田）と天才・前田の復活こそが、今季の大分の鍵を握ることは間違いない。