Photo: Atsushi Tokumaru
あきらめない浦和。劇的に勝ち取った6戦ぶりの勝利
過去に何度も名勝負を生んできたカードらしかった。最高の試合とは言えないかもしれない。だが、エキサイティングな展開が続いた。
前半はFC東京の試合だった。序盤から浦和がボールを支配したが、13分、浦和の最終ラインのビルドアップを米本が奪うと、ネイサン・バーンズが右サイドから中央にパスを通し、ムリキがワンタッチゴール。3年前に広州恒大で浦和を苦しめたストライカーがJ1初得点を決めた。浦和がチャンスを作る展開が続いたが、2点目を奪ったのもFC東京。31分、バーンズが突破を試みたこぼれ球が裏に抜け、走り込んだ橋本がゴール。苦しい展開で前半が終わると、浦和のゴール裏からはブーイングが飛んだ。
しかし、浦和はあきらめていなかった。ハーフタイムにペトロヴィッチ監督は「この試合、絶対に勝てるぞ」と声を掛けたという。「負けている試合でそう言うのはなかなかない」(槙野)ことだったが、その言葉で「安心感を得られたし、『まだやれるぞ』という気持ちにつながった」(槙野)選手たちは後半、躍動する。66分、CKの流れで右サイドに流れた興梠がクロスを上げると、ゴール前に残っていた槙野がヘディングでゴール。72分には興梠の落としから槙野がミドルシュートを決めて同点。さらに78分にはFKの流れから森脇、阿部が立て続けにミドルシュートを放つと、阿部のシュートがクロスバーに当たってはね返ったところを李が体で押し込んで浦和が逆転勝利を収めた。
一方にとっては劇的であり、一方にとってはむごい結末。あまりに対照的な結果だが、浦和が6試合ぶりの勝利を果たすとともに、ホームでのFC東京戦の公式戦無敗を16試合に伸ばした。(菊地 正典)