鹿島がセアラのPK弾で5連勝。福岡は5戦未勝利に
最少スコア差となったが、その内容にはチーム状況や実力差が明確に表れた。前半、鹿島が試合を優勢に進めた要因は何か。まずは、福岡が狙いたいプレスからのショートカウンターを機能させなかったことが挙げられる。紺野が「鹿島はボランチ2枚も加わって、思ったよりも後方でボールをつないできた。自分たちはそこにプレスをかけたが、人数が足りずにハマらなかった」と振り返ったように、鹿島は自陣で数的優位の状況を作り、ボール保持と前進を実現させた。
加えて鹿島は、前線からの圧力により福岡のビルドアップに制限をかけ、ロングボールを蹴らせる状況に持ち込んだ。そして、CB二人がそのロングボールを確実にはね返していく。セカンドボール争いでも、中盤の選手が出足と球際の強度で上回った。福岡のよさを消すための論理的な戦略が見事にハマって、アウェイチームが主導権を握った。
鹿島は前半終了間際、安西のスルーパスに反応した途中出場のレオ・セアラがエリア内で倒され、PKを獲得。これを自らゴール左スミに決めて、43分に鹿島が先制に成功する。
後半は両指揮官の交代策が見どころとなった。51分に鹿島のカウンターから迎えたピンチでセアラのシュートをGK永石が阻止して生まれた空気感を利用するように、金明輝監督は3枚の交代カードを一気に切る。重見をアンカーに、松岡をインサイドハーフに、そしてウェリントンをトップ中央に配置する[4-3-3]に布陣を変更。プレスをより効果的にし、ウェリントンを中央に置くことで、前線に攻撃の起点を作った。
これで福岡に流れが傾くと、鹿島の鬼木監督は65分に三竿をボランチに、松村を左SHに投入。鈴木を左SHから2トップに一角に移し、攻守のパワーアップを図る。この好采配で流れを取り戻した鹿島は、ウェリントンの負傷交代という福岡にとっての不運も重なり、そのまま逃げ切って5連勝を達成。一方、福岡は2連敗、5戦未勝利となった。(文・島田 徹)