Feature 特集

[レスター]準レギュラーから不動の存在へ。ターニングポイントとなった意識改革/FW 岡崎 慎司 コラム

2016/5/5 11:30


Photos: Getty Images

「手ごたえがなければ、自信のあるプレーはできていない。やっぱり最初は、プレミアリーグの壁にぶつかった。でも、壁にぶつかっても、(初ゴールを決めた第2節)ウェストハム戦でもやれている感触があった。開幕戦のサンダーランド戦もそうだった。何もかも通用しないわけではなかった。自分のベースにあるもの、自分が今までやってきたことは通用すると思った」

 劇的な優勝決定の翌日、「今季の手ごたえは?」との問いに対し、岡崎慎司は力強くこう答えた。シーズン前半戦は、“準レギュラー”として先発とベンチを行き来する苦い経験も味わった。しかし、後半戦からは不動のレギュラーとして君臨。セカンドストライカーとして守備をこなしながら、前線まで走って危険なプレーを示すことで、チームにとって不可欠な存在へと成長した。

 岡崎の今季を振り返ると、プレー面はもちろん、考え方においてもたくましさが増していった。シーズン序盤は守備で貢献する黒子役に徹したが、思いとは裏腹に出場機会を次第に失っていく。そこで一念発起し、“攻撃の比重”と“ゴールへの意欲”を増大させ、積極果敢に得点を狙うようになった。この意識改革が、ターニングポイントだった。試合に出るため守備に走り回るよりも、チーム内で絶対的な存在になるためにゴールを目指す。得点に直結するプレーを増やすことで、クラウディオ・ラニエリ監督、そしてチーム内での評価を高めたのだ。ラストパスが出てこなければ、チームメートを怒鳴り付けたりもした。

 しかし、飛躍のための土台はこれまで培ってきたものにあると岡崎は話す。プレスバックやチェイシング、ラストパスを引き出すためのフリーランも、今まで積み重ねてきたもの。そこにプラスαで、「試合に出られない時期に筋力トレーニングをしたり、リスクを冒してチャレンジするために前を向くとか。そういうことを少しずつ増やしていくことで、プレミアリーグで活躍するための自信がついた」と語る。「やり続けることが大事。その延長線上で、結果が出たときに評価される。(FAカップ3回戦の)トッテナム戦(2△2)で後半から出て点を取ったときもそうだった。自分のスタイルに自信を持って堂々とやることを学んだ」。

 岡崎らしさを貫きながら、そこにプレミアリーグのエッセンスを加えていく。そうすることで、選手として一回りも二回りも成長した。意識の変化は選手をさらに進化させるということを、岡崎の活躍を目の当たりにして強く感じた。(田嶋 コウスケ)


岡崎 慎司(おかざき・しんじ)
1986年4月16日生まれ、30歳。兵庫県出身。174cm/76kg。宝塚ジュニアFC・けやき台中→滝川第二高→清水→シュツットガルト(ドイツ)→マインツ(ドイツ)を経て、今季レスターに完全移籍。今季プレミアリーグ通算34試合出場5得点。日本代表。

EG 番記者取材速報

League リーグ・大会