森保一をめぐる二つの論点／自主性を重んじるチームビルディングは是か非か

森保一で大丈夫なのか−−。19年の戦いをとおして、指揮官の手腕を不安視、疑問視する声が高まっている。特に、“自主性を重んじるチームビルディング”に対しては「戦術がない」「選手任せ」という辛辣な声が飛ぶ。また、東京五輪の1年延期に伴い、A代表と五輪代表の“兼任問題”も浮上。森保一をめぐるこの二つのビッグイシューを、双方の視点から検証する。

［是の意見］すべては“壁”を越えるために。“指示待ち気質”の克服に期待

　19年11月のU-17W杯。開催国のブラジルはフランスとの準決勝で絶体絶命の危機に陥っていた。2点を先行され、反撃の糸口すら見いだせないままハーフタイムを迎える。
　すると、選手たちがグラウンド内で喧々諤々の議論を始めるのだ。その輪の中には監督やコーチはいない。そして後半、見事に試合をひっくり返した。
　この場面は、U-17日本代表を率いた森山佳郎監督が今治のコーチ研修で見せた映像だ。森山監督を招いた岡田武史オーナーが言う。