「降格なし」となったことで、我が道をいくクラブに追い風が吹くかもしれない。監督交代の可能性が減り、理想の戦術やスタイル構築を貫きやすくなるからだ。筆頭は、永井ヴェルディ。開幕節を落とし最下位発進となったが、過密日程、交代枠なども含め大きく形を変えたJリーグに再登場する東京Vは注目だ。
追求する質。新ルールが追い風になり得る理由
開幕戦で徳島に0-3と大敗し、4カ月もの間を順位表の一番下で過ごした東京V。大久保嘉人はその試合を「立ち位置や動き方など、ヴェルディの独特な戦術が新しい選手たちにまだ浸透していなかった」と振り返った。
“8割以上ボールを支配し、圧倒して圧勝する”ことを目標に掲げる永井秀樹監督のサッカーは、現在のJリーグで唯一無二の「ゼロトップ・システム」。ジョゼップ・グアルディオラ監督の率いたバルセロナを彷彿させる超攻撃サッカーを、リオネル・メッシもアンドレス・イニエスタもシャビもいない、J2の中でも別格とは言えない戦力で実現しようというのだ。足りない個の力は戦術で補うしかなく、当然ながら時間はかかる。