鹿島の1点目は、左サイドからダイアゴナルに走り込んだ中村の動きを見逃さずに出した柴崎の縦パスから生まれた。ボランチとして広角にパスをさばくだけでなく、機を見てゴール前まで飛び出しチャンスを作る。その機動力の高さは、気温30℃を超える過酷な環境の中でも際立っていた。
ただ、この日はボランチとしての働きも素晴らしいものだったが、63分のルイス・アルベルト投入を機にトップ下に入ってからのパフォーマンスこそ真骨頂だったと言えるだろう。相手の5バックと4人のMFの間を自在に走り回り、ときにはパスを受けて起点となり、ときにはその動きで守備を引っ張ってスペースを作る。広島の守備は終始その動きに翻ろうされた。
とはいえ、柴崎は急にそうした動きを見せるようになったわけではない…