「ゼロからのスタート」を強調
ハビレル・アギーレ監督が就任して最初の日本代表メンバーが発表され、23人のうち5人が初選出というフレッシュな構成になった。アギーレ監督は「ゼロからのスタート」を強調。実績を考えずに自分の目で見てリストアップして、スタッフとともに絞り込んだというものの、やはり“新戦力”から指揮官の目指す方向性が見えてくるモノはある。
鳥栖のDF坂井達弥は局面の対人戦に強いだけでなく、しっかりハードワークできることが高評価の大きな理由だろう。レフティーのため、左CBに配置された場合に素早くワイドに展開できるのも利点だ。3バックをオプションとして用いるなら、左のストッパーとして可能性を探られるはず。メキシコ代表ではその位置でモレーノという左利きの選手が主力として活躍している。 新潟の右SB松原健はU-21の世代で唯一の選出。今月14日にスタートするアジア大会に臨むチームは原則的に各クラブから一人の選出という規定があり、新潟からはFWの鈴木武蔵が選ばれ、松原は外れていた。身体能力が高く、アップダウンを繰り返す持久力もある。何より距離を問わない右足のクロスが素晴らしい。ビルドアップの部分は成長の余地を大きく残すが、かなりのハードワークが要求されるポジションであり、4年間の競争の中では若さも武器になっていくはずだ。
神戸のMF森岡亮太は前向きなプレーが持ち味のテクニシャンで、ワイドに散らすよりは積極的に縦を狙ったパスやドリブルが目立つ。アギーレ監督がオサスナ時代に抜擢したラウール・ガルシアを彷彿とさせる。[4-3-3]なら中盤の左右のハーフが基本になるが、3トップの左右をシャドー気味に置くならその一角、[4-2-3-1]をオプションに組み込むならトップ下で機能しそうだ。当初は課題と見られた運動量や守備参加も向上が見られ、その点もアギーレ監督の基準をクリアしているはずだ。
アギーレ・ジャパンの申し子候補
5人の中では最も代表入りを予想される声があったのが…