NTT関東時代から選手として在籍し、現役を退いてからも指導者として大宮に関わり続けてきた渋谷監督。まさにクラブの歴史を知る生き字引的存在だ。2010年から昨季までは甲府に籍を置いたものの、今季からは再びコーチとして大宮に尽くす日々を送っていた。決して目立たずともクラブを支えてきた男が、成績不振によって大熊清前監督が解任されたことでチームの船頭を任されることになった。J1昇格以来最大とも言える危機的状況にありながら、監督経験のない渋谷監督を抜擢したことからも、クラブの期待と信頼がうかがえる。
監督に就任して変わったことを問われ、真っ先に「スタッフの人たちがいろいろとサポートしてくれているということを、あらためて感じる」と周囲のサポートへの感謝を述べたように、その人柄は実直そのもの。その一方、ピッチ上では大熊前監督に負けず劣らず大きく響き渡る声で指示を送る情熱的な一面も持ち合わせており、自身を「しゃべり過ぎ」と評するほどだ…