研ぎ澄まされた守備の集中力。気迫は衰えず
74分、FKのこぼれ球を高橋がゴールに押し込んだとき、14,182人が駆け付けた熊谷は特大の歓喜に包まれた。一直線にゴール裏へと走り出した高橋、そして彼を祝福するチームメートたちには笑顔があふれる。久しく遠ざかっていたリーグ戦での勝利を確信させる、幸福な光景だった。
決してラクな試合展開ではなかった。縦横にコンパクトにしながらの守備はある程度機能していたが、そこからの展開は未成熟で、「ボールを持ったときにはトレーニング不足を露呈してしまった。それは私の責任」と渋谷監督は悔やんだ。それは34分に泉澤のドリブル突破からムルジャが決めて、5月17日の第14節・鳥栖戦(1△1)以来の先制点を挙げても大きくは変わらなかった。…