一振りで歓喜と失望の渦を巻き起こした。アルウィンに駆け付けた岡山サポーターにとって背番号9は天使であり、ホームの松本サポーターにとっては悪魔だっただろう。もっとも、偉大なストライカーであればこそ、多くの人に愛され、さらにもっと多くの人に憎まれるモノだ。
今週、約4カ月のリハビリを終えてチームに合流した荒田の姿からは「喜びにあふれている感じがする。戻って来た!点を取りたい! っていう本当にピュアな欲求がプレーに出ている」(影山監督)ことが誰の目にも微笑ましく映った。そして指揮官はそんな荒田を見て「こういうときにポンと出すと点を取ったりするんだよ」と予見しながら「まだ今週は無理だろうけどね」と話していた。
しかし、影山監督は今節、荒田をベンチ入りさせた。荒田自身も「正直、ビックリした」と言うが、さらに驚くことに同点に追い付かれた直後、「勝ち点1でいいという気持ちには僕も選手たちもまったくなれなかった」と影山監督は荒田を呼び寄せた。
そして、…